『ファントム・ペイン』

きょうは芝居の話です。

大阪春の演劇まつりも24日が公演の最終日。
お得なセレクト5チケットを買っていて、
後1回分残っていました。
残る演目はふたつ。
鴻上尚史・作というので、
T.F.C.factoryの
「ファントム・ペイン」
を選びました。
T.F.C.factoryが2001年上演した「スナフキンの手紙」のその後の話ということでしたが、
これはこれで、充分楽しめました。

(注)「スナフキンの手紙」は第39回岸田國士戯曲賞受賞作品で1994年に第三舞台が上演。「ファントム・ペイン」は第三舞台の20周年記念&10年間封印公演として話題になった作品。(「シアターリーグ」による)


劇中より心に残ったせりふを載せてみます。


武吉翔子が演じた「氷川サキ」のせりふ
(そのままかどうかは定かではありません)
---------------------------
『何年か前、自分自身に出会った。
驚く私に対してもう一人の私は穏やかに微笑みながら
「たいしたことじゃない。大丈夫」と答えました。
そして、ほんの短い立ち話の中でこんな事を私に言いました。

あなたは愛する人と電車に乗っている。
やがて、愛する人の住む駅に着き、愛する人はホームに降りる。
あなたはついていきたいと思う。
全てを捨てて、ついていきたいと思う。
その時、あなたが強く思った時、世界は分裂する。
ホームに降りたあなたと、
ホームに降りなかったあなたの世界に分裂する。

それをパラレルワールドと言う。

もちろんホームに降りなかったあなたは、
ホームに降りたあなたの存在を知らない。

けれどもう一つの世界ではあなたはホームに降りている。
もう一つの世界のあなたは、ホームに降り、愛するあなたに駆け寄る。
そこから始まる別な物語をホームに降りなかったあなたは知らない。

けれど、想像する事は出来る。
2度と逢う事のないもう一つの世界の自分が何を感じているのか、
ホームを駆けながら何を思っているのか。
想像する事は出来る。

私は想像する。
もう一つの世界に行った人達を。
…もう一つの世界に行ったと思われている人達を。
私は想像する。
もう一つの世界に残った人達を。
私は想像する。

…信号待ちで出会った彼女は、
もう一つの世界から来た自分だったのか?
今となっては分かりません。
私たちは少し考えて、指輪を交換して別れました。
分裂した私はもう一人の私にとって、存在しない。
存在しないけれど、私は想像する。
その痛みを。
その喜びを。
その悲しみを。
この世界に生きる私は、もう1つの世界の私を想像する。』
---------------------------

また、水本絵美(藤本弥生)の言った
「外出する引きこもり」ということばも
現代人の状況を現しているように思えます。

まだまだ、気になることばはたくさんありました。

観る人によって、感じ方は違うでしょう。
劇中のことばによって、思い浮かぶシーンが
それこそ人によって千差万別でしょう。
でも、私にとって
その浮かんだ想いが
心にズキッとくる芝居でした。

射場稔さん、入口有布さんは、舞台をとても楽しくしてくれました。
三好圭祐くんもよかった。
藤本弥生さんは、しぐさや表情が、とってもチャーミングでした。
若いって、素敵です。


T.F.C.factory 15th『ファントム・ペイン』


観劇:7月23日(土)17:00~
会場:森ノ宮プラネット・ホール

作:鴻上尚史
演出:猪岡千亮
CAST:三好圭祐(U5)/武吉翔子/布谷光聖/横町香織/藤本弥生/射場稔(劇団ワイルド☆ラッツ)/周防夏目Radom Encount)/小川倫正/ちはる/林大将軍/入口有布よしもとザ ブロード キャストショウ)/中井良劇団空間悠々劇的




          ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

あやかさんへ リンクありがとうございます。ますます、はじけてください。
[PR]
by newnautirus | 2005-07-24 05:27
<< 「七色のおばんざい」が終わりました 毒虫 >>